グループウェア・システム論

グループウェアの理論と社会的要因

はじめに

  • グループウェアを非技術的な切り口で見てみる

グループウェアと人的要因

はじめに

  • CSCW研究は学際的研究分野
    • CS(コンピュータ技術による支援)
    • CW(協調作業)
  • 社会学的アプローチの重要性

グループウェアの失敗例

  • Cognoterの失敗
    • 提供された機能が充分使われなかった
  • Quiltの失敗
    • 事前に役割分担を詳細に定義する機能は必要ない
  • CRUISERの失敗
    • コンピュータの演出によって実際に会話が成立することはほとんどなかった
  • VideoWindow?の失敗
    • 大型ワイドスクリーンを通して会話が成立する率は,通さない場合の40%程度しかなかった

グループウェア導入の困難性

  • はじめに
    • グループ全員が強制的に使用させられる
  • Grudinの8つの課題(1994)
  • 利益と仕事の不均衡
    • 利益を得る人と,仕事が増える人の不一致がある時,導入がうまくいかない
  • クリティカルマスと囚人のジレンマ問題
    • 自分本位の行動をとれば社会全体としては損になる
    • グループウェアが有益になるための必要最小限の利用人数=クリティカルマス*1が必要
    • 初期ユーザは自分の利益に反しても積極的にグループウェアを利用しなければならない
  • 社会的プロセスの崩壊
    • 黙っていたり明確にしないことでうまく機能していた社会的プロセスが崩壊する
  • 例外の扱い
    • グループウェアでさまざまな例外を扱うことは難しい
  • グループウェア機能は実は重要性が低い
    • 仕事のかなりの部分は個人作業
    • 個人作業の支援機能が優先的に扱われるのはやむを得ない
  • 評価が困難
    • 有用性の評価が難しい
    • 社会的状況,経済的状況,モチベーション,個人の能力のばらつき,グループ毎の違い,…
    • 社会的分析の技術を持った者がいることは期待できない
  • 直感に頼った設計ができない
    • 実際に使用するいろいろな層の人の作業を分析し,意見を聞く必要がある
    • コストがかかる
  • ユーザの受け入れの問題
    • 特徴のあるシステムよりも「反対されない」システムの方が導入し易い
    • 既に導入されているシステムに少しずつグループウェア的機能を追加していく
  • 補足
    • 仕様書の承認の問題
    • 技術的には可能でも,政治的な問題もある
  • グループウェアの導入に成功する場合
    • 強制的に使わせることが可能で,結果として全員が使っていた
    • 1人1台のコンピュータ環境やネットワークなどのオンラインツールが使い易くなった
    • ツール機能の充実や,GUIにより使い易くなった
    • 周囲からのプレッシャー

言語行為論

言語行為とは

  • 言語行為論*2
    • 言語による発話を協調活動の場における意味のある行為として分析する
    • 言語を単なる情報伝達の道具としてではなく,相手に対する何らかの意図を含んだ行為として捉える
      • 依頼
      • 宣言
      • 約束
      • 質問
      • etc.
  • 言語の分析は非同期の場合の方が容易
  • 言語行為の意図をより明確にすることによってコンピュータでの会話の構造をトレースし,ブレイクダウンを未然に防いだり,発生したブレイクダウンの解決をコンピュータで支援しようと試みられてきた
    • ブレイクダウン
      • 協調作業に失敗する場合
      • 会話構造に問題が生じる場合や発話意図が伝わらない場合などを含んでいる

The Coordinator

  • ユーザに発話意図を意識的に入力してもらうことにより,システムは会話構造のトレースに専念
    • メッセージを入力すると,応答締切日やアクション締切日の入力を促す
    • また,発話意図を選択させる
  • 協調作業で特に必要となる依頼,約束などの典型的な会話構造とそれらの完了を中心に扱う
    • 何をいつまでにすべきかを明確に知ることができる
    • 完了しない場合などに警告を出すことができる

ConversationBuilder?

  • 複数の会話を並行して扱い,これらの文脈の切り替え(context switching)が容易
  • ダイナミックに会話の構造(protocol)を規定できる
  • ドキュメント等(artifact)の管理機能

会話構造分析手法の限界

  • 発話意図の入力が手間であり心理的障壁が高い
  • 別のコミュニケーション手段で依頼や応答をするとシステムがフォローできない
  • 意図を明確にする必要のある分野では言語行為論の有効性が期待できる

*1 critical mass
*2 speech act theory

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Last-modified: 2007-10-02 (火) 15:29:30 (4370d)